魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
そうなのです。
私たちは今現在、シロウさんの家にお世話になっている身。
というのも、逃亡生活はたとえ逃避行を決意した身でも現実的に行き詰るということもあり。
ついで、未成年の私たちが行けるところはない。
そんな私たちを置いてくれているだけでも感謝しているというのに、それを素直には受け取ってはくれない。
確かに少し、私とアサヒのやり取りは前に比べて距離の近いものではあるけれども。
私はそれが普通なのだと思っている。
そう、あくまでも普通。
置いてもらう代わりに身近な仕事を手伝うということが条件だから、少しくらいは多めに見てくれてもいいとは思うのだけど。
「シロウ。もう少し寛大な心を見せてくれてもいいと思うよ、僕は」