魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
外に出ない代わりに私たちは2階にあるシロウさんの家で様々なお手伝いをさせてもらっている。
家事はもちろん、店の経営で出る諸々の情報書類の作成やその他の内職。
できる限りのことは任せてもらえるようになっていた。
他人である私たちにある程度を任せている彼が甘いといえばそれまでだけど、なにせ押し付けという名目で手伝わせてくれるのだ。
時々心配してしまうこともしばしばある。
いつか、悪いものに引っかからなければいいのだけど。
けど、同時にそれだけ信頼してくれているということで私は解釈している。
アサヒはどうなんだろう。
ふと、思った。
『信用されず、信頼されない』
以前、シロウさんが寂しそうに言った言葉が頭の中で反芻される。