魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
なんて切ない。
聞いた時と同様に、想像して悲しくなったり、苦しくなったりはする。
けれど、アサヒから無条件に愛情を向けられている私には、完全に理解することができない。
彼は、アサヒは。
世話になっているから、という事実上の事情抜きで、純粋にどう思っているのだろうか。
ぼんやりしていると、目の前で手を振られて現実に戻された。
「大丈夫?アリサ。どこか悪い?」
心配げなアサヒの顔が目の前にあって、不安にさせてしまったのかと物思いに耽っていたことを悔いる。
なんだか、悪いことをした気分だ。
「あ、うん。大丈夫だから」
笑って流すと、「そう?」とやはり声調の落ちた声で納得していない様子だった。