魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
哀れな姉弟の末路
「本当にいいのか。後悔は……しないか?」
ある昼下がりの晴天の日。
シロウさんが珍しく、まるで親のように心配する様を見てくすりと笑う。
「そうして欲しかったんでしょう?
今更なんですか、もう」
「い、いや……そうして欲しい欲しくないっつー話じゃなくてだな。
お前らが決めたことならもうこれ以上俺は否定できねえんだよ」
「ふふ、そうですか。本当に親子の気分です」
「……おいコラ。俺はまだ26だぞ、まごう事なき20代だ」
26歳……
何気に初めて知ったと思う私の横で、アサヒがまたも皮肉交じりに言葉を挟む。
「ああ、それは結婚適齢期に突入しそうな微妙な歳だね。おめでとう。
だけど急がないと出遅れてしまうよ。早くいい奥さんを見つけないとね。見つかればの話だけど」