魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
いっそ清々しいくらいに爽やかな笑顔で言ってのけたアサヒは今日も健在だ。
シロウさんいじりを楽しんでいる。
このやり取りがしばらく見られなくなるのか、と思うと少し寂しいような気もした。
私とアサヒはあれからよく話し合った。
その上で決めた。
家に帰ろうと。
そうして罪を償おうと。
私の罪も露見するのは時間の問題だから、とよくよく諭して、私も償うということを言って聞かせた。
アサヒは当然、複雑そうな顔をしていたけど、それでもいいと最後には笑って頭を撫でてくれた。
隔たりは目に見えていた。
家に戻れば私たちは引き離されるだろう。
あんな親でも一応私たちの両親で、家族だ。
話してもきっと分かってくれないだろうことを予期しつつ、僅かばかり前向きに考えてみることにした。