魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
待ち合わせ場所で、私がナンパを断り切れずに連れて行かれそうになったところにアサヒが何処からともなく現れて、撃退してくれた。
今みたいな一見、人の良い笑みを貼り付けて。
そう、それだけなのだ。
他に何か報告することはあったのかと、考え込んでいると。
「仕方がないね」
困ったように、これ見よがしにため息をつくアサヒ。
……彼は、これほどまでに態度を提示する人だっただろうか。
昔はこうではなかったはず。
けれど会わなかった期間は数年に及ぶ。
その間に、アサヒにも変化が起きていたとして何ら不思議はない。
「アリサ。どこを触られたの?」
「……え、あの。肩、と…腕です」
アサヒも見ていたはずだけど、と思いながらも、素直に答える。
「ん。正直でよろしい」
……試していたんだろうか。