魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
「アサヒと一緒にいられることが、私の生きる理由。貴方がいないと私は普通ではいられない。
それは今でも変わっていないけど、それならもっと側にいられるようにしたいと思うの」
「もっと、側に?」
「そう。5年もアサヒと会えなかったのは、逃げなければならない理由ができてしまったあの事件のせい。あの事件がなければ、変わらず一緒にいられた」
「だけど、それはアリサのせいではないよ。僕の所業が招いた——」
「でも、それも元を辿れば私が弱かったのがいけなかった。アサヒの狂気は私が作ったようなものだから。
でもね、この5年間を嘆いているわけではないの。今はむしろいい機会だったと思えるくらい」
よく分からないと、首を傾げるアサヒに私は清々しいほど、にっこり笑ってみせる。
「だって、そうでなかったらアサヒは姉弟をやめてはくれなかったでしょう?」
「…!」