魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜



だから私は疑わない。


アサヒもそれを分かっている。


私たちの結びつきは何よりも強く、解けない。



それはとても素晴らしいものだけど、世間はそんな私たちを指差しては眉を顰めるんだろう。


拒絶して、恐怖を抱くに違いない。


今はもう関わりたくもない、彼ら——両親もそうだった。



依存し合うことの何がいけないのか。


他のものを蔑ろにして、大切なものを守ろうとすることの何がいけないのか。


そうして2人、想い合うことの何がいけないのか。




私にはアサヒしかいない。


アサヒにも私しかいない。


お互いが求めてやまないのなら、それでもいいはずでしょう?


そうだ、外野など関係ない、放っておけばいい。



そう頭では理解しているけれど。


最近、ふと怖くなるのだ。


< 285 / 326 >

この作品をシェア

pagetop