魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
綺麗なマンション。
広めの玄関を抜けて奥に通される。
全体的にシンプルな印象は受けたけど殺風景な感じはしなくて、物がないというよりも整頓されている部屋。
実家や、昔住んでいた幾つかの住まい程では流石にないけど、十分に充実している。
一通り部屋を見せてもらったけど、一人暮らしには広過ぎるくらいの部屋だと思った。
「どうぞ」
「あ、ありがとう」
リビングに戻って、お茶を淹れてもらうと沈黙が落ちる。
空気が普段と違って、少し居心地が悪い。
ちらり、とアサヒに視線を向けると目が合ってどきりとする。
アサヒはそれは優雅に微笑んだ。
「ん、どうかした?アリサ」
「え、あ、ううんっ……何でもない…」
こうして話していると違和感がなくて、いつも通り……なのか、判断しづらい。
でも、何か引っかかる。