魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜



見過ぎたらしい。


あっさりアサヒに気付かれて、顔に熱がともる。


誤魔化すように私は話題を振った。



「あ、そうだ。午後から出かけてくるね」


「ああ、天気がいいからね。買い物なら付き合うよ。
せっかくの休日だからね、今日はアリサと家でのんびり過ごしたいと思っていたけれど」


食事を終えたアサヒが立ち上がって、流しで洗い物を始めた。



「あ、えと、今日は一人で大丈夫」


むしろ今日はアサヒがいたらダメだ。



「そう?何かあるの?」


「え、あ………で、デートです」


訳は話せない、と苦し紛れに放った言葉がとんでもないものだと、言った直後に気付いた。


いや、意味合いとしては合っているけど……



色々と誤解を招きそうな発言だ。


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