魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
「いや、さっさとお前をアサヒのやつに返却しねえと何言われるか分かったもんじゃねえな。
お前もそれ渡したいだろうしな」
シロウさんに指を差されて、包みを持つ手にぎゅ、と力が入る。
確かに、渡したい。
アサヒに会って、今日のことをきちんと話したい。
誤魔化したまま隠し続けるのはすごく、心苦しい。
だけど。
「……いえ。ぜひ、ご一緒にお茶しましょうか」
そう言った私を、シロウさんは驚いたような顔で見つめてくる。
けど、すぐに不機嫌そうにため息をついた。
「いっちょまえに気ぃ使ってんじゃねえよ」
「全くもってそういうつもりはなかったんですが……
そう見えたなら、それはただの先入観ですよ。ほら、私への第一印象が強かったのかもしれないです」
「……確かに、初期のお前に対する印象は強烈だったな」