魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
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「で、お前何考えてる。いいからはっきり言ってみろ」
テーブル席で向かい合う形でしばらく雑談していたけど、唐突にシロウさんは問いかけてきた。
一瞬、動きが止まった私は少し視線を逸らして何事もなかったようにカップの中のコーヒーをかき混ぜる。
流石にお見通しらしい。
変に誤魔化さず、どう説明しようかと思案する。
検討違いの誤解を招かないためにはどうしたらいいんだろう。
少しの間考えて、シロウさんを改めて見やった。
ここはやはり、正直に説明するしかない。
そう思い立ったのは良いけど……
「私、シロウさんが好きですよ」
「…………は?」
たっぷり間をとった後、怪訝な表情で「何言ってんだこいつ」と言わんばかりの白けた目を向けてくるシロウさん。
予想通りの反応。