魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜



正直にとはいっても、それが容易でないことは明白で。


言葉選びを度々誤っては思いもよらない結果を招いてきた。


詰まるところ、私はあまり口が上手くない。



簡単に済ませるだけでは真意が伝わらないことは分かっているため、なるべく伝わりやすい方法を探すことにした。


私の場合はそれがシロウさんとの真っ向からする対話だったというわけだ。



「私が世界で一番好きで、一番大切にしたいと思うのはアサヒです。それは絶対に揺るぎません。そこに他人が介入するなんてあり得ない」



私とアサヒの関係は赤の他人などに理解できるような浅いものではない。


そこは言わば聖域なのだ。



だから、何も信じたくなかった。


他の誰も受け入れたくなかった。


不純なものは一切、入り込ませたくなかった。



「だからもちろん、恋愛感情をシロウさんに抱いているわけではありません」


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