魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜







「そろそろ帰るか。アサヒも流石に心配するだろ」


シロウさんの言葉を皮切りに、私たちはカフェを後にする。




と、背後から聞き慣れた声がした。


「アリサ」


振り返るとそこにいたのは、にこやかに笑うアサヒ。



「アサヒ…!どうしてここに?」


「ちょっと、近くに用事があったんだ。偶然2人を見つけた時は少し驚いたよ」


私の問いかけにゆったりと言葉を返しながら、アサヒの足はシロウさんの前で止まる。


シロウさんが渋い顔をしてため息をついた。



「偶然、な。大方、俺たちの様子でも探ってたんじゃねえのか」


「はは、僕が言っているのに信じないんだ?人を安易に疑うのは良くないと思うよ」


「白々しいな」


「それに、仮にずっと後を尾けていて、今ここで偶然を装って君たちの前に現れたとしても、僕が追っていたのはアリサだけだよ」


「……ああ、そうかよ」


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