魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
どうやら私が淀んでいるのは、単に遠慮しているからだと思っているよう。
それはそれで救われる気持ちはあったのだけども。
そう。わざと……では、決してない。
ただの親切心だ、これは。
無下にはできない。
それに、確かに私も1日お風呂に入っていなくて気持ち悪いと思っていたところだ。
観念……といえば響きは悪いけど、その言葉に甘えることにした。
「じゃあ、あの……行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」
他意のない顔で見送られて、脱衣所へと足を踏み入れる。