魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
大事になってくるのは、これがシュウの目の前で晒されることだ。
今のところ、腕をまくってもギリギリ見えない位置でなんとか助かってはいるため、料理はできる。
流石にシュウが隣で見張っていた時はヒヤヒヤしたけど、心配は杞憂に終わった。
シュウは何でもやろうとしてくれる。
だからそこまで私が危険を侵して、手を下す必要性は恐らくどこにもない。
なら、どうして出来る限りを自分で請け負ってしまうのか。
単に申し訳ないから。
「……で、済ませられたら簡単なんだけども」
そうでは、ないのだ。
きっと、多分。
その「申し訳ない」も、少し傾けて考えると多少なりとも意味が変わってくる。
私のためにそこまで手を下さないで欲しい。
そういう申し訳なさから来るわけではなく。