魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
* *
「アリサ」
背後から忍び寄って呼ぶと、名前の主はこちらを向いたのち、驚愕に瞳を瞬かせた。
状況が理解できないで慌てている様も、また愛しくて仕方ない。
できる限りの、貼り付けではない笑顔で綻びかけ、手に持ったそれを直接アリサの手に握らせた。
「え、え…!?なになに、どういうことっ?」
「何って、サプライズが一番喜ばれるといったのはアリサだよ?」
「ええ?言った?…って、何が?」
綺麗に包まれた数輪の花を手に、当の本人はここまで来ても全く意味を理解していないらしい。
天然は結構なことだけれど、あまり度を越すとこちらも苦笑を隠せない。
「今日はアリサの誕生日だよ」
「……えっ!?私の?じゃあ私、15歳?」
「そういうこと」
「そっかあ……」