魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜



きっと、彼女と同じ日に生まれた僕の誕生日を、一番祝ってくれるのは彼女だろう。


祝福と笑顔を目一杯くれるのは、アリサだろう。




“異常者”


そう呼ばれた自分が、生まれてきても良かったのか。


そんな問いすら打ち破るアリサが僕は、この世で唯一、ただ一人。


本当に、大好きだ——。




「アリサ……!」


「え、ぅわっぷ…っ!」


愛しい彼女をこの手に閉じ込めて、折れそうなほどきつく、けれど壊れないよう自重して。


ぎゅっと抱きしめた。



ああ、心の底から愛おしい。


この想いはいつからだろう。


気付いた時にはもう好きだった。


他の何も考えられないほどに、愛していた。



こんな僕を世間はおかしいと思うだろう。


けれど、そんなものはどうでもいい。



< 77 / 326 >

この作品をシェア

pagetop