魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜
大変だ。
「シュウっ?大丈夫ですか?私の声は聞こえていますか?」
声をかけつつ、背中をさすろうとそっと後ろから手を触れる——と。
「っ……!!」
思い切り、力の限り振り払われた。
私がそれに気付けたのは、ちりちりとした払われた手の痛みを感じてからだった。
「シュウ……?」
何が起きたの。
どうかしたんですか。
思うことも聞きたいことも、あったけれど。
それよりも、窺えた彼の顔つきが怯えきっていて、とてもではないけど自分のことに気を回す余裕など、どこにもなかった。
ただただ心配で。
それだけだったのにシュウは、怒られることを恐れる子供のように私を見て震えていた。
そして。
「間違っていた。やっぱり、間違っていたんだ、僕は……また。ま、間違って……っ」