イジワルな彼と夢みたいな恋を?



「嘘……何も聞いてないし……」


この紙に書かれてあるのは嘘なの?
じゃあ、あのモデルルームの図案を考えたのは誰!?



「あっ!大田さん、どこ行くんれすか!?」

「仕事始まるっすよ!」

「サボるには早過ぎです〜〜!」


ゆとりちゃん達を振り返った。
こんな時に悠長にしてられるあんた達が羨ましいよ。


「私、岡崎さんに会いに行く!午前中いっぱい戻らないからね!」




ドクドク…と脈打つ胸を抑えながらダッシュした。

岡崎さんは、きっとこの事を知ってるかと言いたかったんだ。



「本人から聞いた方がいいよ」


いーや、もう、オフィスの人事が教えてくれた。

あの白い紙切れが、私に永遠のサヨナラを告げてるーー。




(……一ノ瀬圭太は、私の手の届かない人だ…って言ってるよ……)



信じられない気持ちよりも、(ああ、そうなんだ…)って納得した。

彼はホントにハイスペックな男だったんだ。



同窓会で彼が自分を指差しながら言った言葉を思い出した。

それと同時に、やっぱりあの時参加しなければ良かった…と後悔した。



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