イジワルな彼と夢みたいな恋を?
心にあった垣根が無くなり、イライラじゃなくてヒヤヒヤする毎日に変わるなんて。


(夢みたいだなぁ)


孤立じゃなくて、ちゃんと部署の一人として働いてる。

これもゆとりちゃん達がしっかりとしてきたせい?
主任の良さが認められるようになって、安心できるようになったせい?



(そうじゃないか…)


きっと一ノ瀬圭太と再会したからだ。
彼と触れ合ってるうちに、あの中一の頃と同じような感覚になれた。


皆と一緒になってやり遂げてくことの楽しさを思い出した。
一人では何も上手くいかないんだ…と思い知らされた。


(素直に「ありがとう」って言う?「今更何だよ」と笑い飛ばされるかもしれないけど…)


どうせ友人としてしか付き合っていけない相手だ。
それならそれで、礼儀だけは通しておかないとダメだ。


(私が素直になったら驚くかな)



「ふふっ…」


小さく笑いが溢れて焦った。
慌てて振り向くと、四人はまだ話し込んでる。



「そろそろ仕事始めたらどうなの!?」


主任もお願いしますよ…と頼んだ。

急いで仕事に戻る四人を眺めながら、自分が少しずつ変わり始めたことを実感した……。


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