イジワルな彼と夢みたいな恋を?
あのイジワルだった一ノ瀬圭太がハイスペックな男性に変わってた。
K大出身だか一級建築士だか知らないけど、随分と高性能な男らしい。


(それは中学時代もそうだったじゃん)


それに比べて私は…と思う。


あーあ…とため息が漏れる。
明後日からはまた仕事が始まる。…そう思ったら、少々ウンザリもする。

今の仕事は嫌いじゃないし、自分から就職を希望したオフィスで、それなりに充実した日々を過ごしてるとは思う。


けど、私には負担が大き過ぎる。

学生の頃からそうだったけど、どうにもキャパオーバーな仕事を任される運命にある。


学級委員は中一だけに限らず、その後の二年間も高校の三年間もやらされた。

さすがに大学になったらやらずに済むかと思ったら、たまたま同じアパートに住む先輩が学友会関係者だったおかげで誘われ、その後の四年近くも大学行事に関わる仕事をし続けた。


社会人になって最初の三年間くらいはノンビリと仕事も覚えられたけど、部署が変わった四年ほど前からは後輩も付けられ、その指導と教育にも追われる日々。


「ゆとり」なんて言葉も似合わない生活をしてきた私には、正に「ゆとりちゃん」以外の何者でもない後輩が三人いる。


皆、悪い人間ではない。

ただ気が利かない上に自分からは伸びようとしない。

言われたら動く。でも、言われなかったら動かない。


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