イジワルな彼と夢みたいな恋を?
「もしかして彼女?」


まさか、冗談じゃない。


「ちがっ…」「違いますよ。今はね」


い…今は〜〜!?


「ちょ、ちょっと一ノ瀬く…」


変な単語付けてんじゃないよ。そんな言い回ししたら、妙な勘繰りされるだけじゃない!


「今はってことは、過去には何かあったって意味か?」


ほらぁ、どうしてくれる!


「どうですかねー。想像に任せますよ」


任せるなぁ!!


「ちょっと来てっ!!」


腸の煮え返った私は、一ノ瀬圭太の服の袖を鷲掴みした。


「あ、じゃあ皆さんまた!」


ヘラッとした顔で挨拶しないでいいから!


ぐいぐい…と袖を引っ張ったままで立ち去る。

今日は絶対に厄日だと心底思ったーー。


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