イジワルな彼と夢みたいな恋を?
ウッソだ〜〜!
絶対にそんなのはあり得ない!


(だって、あの中学の時の肝試しだって自分から進んでやろうとか言い出した男だよ!?それなのに怖がりなんてどうして?一体何が怖いって言うの?)



「あの、岡崎さん…」

「ああ、ごめん。今からこの資料を持って帰って、直ぐに会議を始めるからまたね」


「え、あの、……お疲れ様でした!」


聞きたいことも聞けずに見送る羽目になってしまった。
結局、疑問を植え付けられただけで、私の悩みは拡がってくだけだ。

これを刈り取るには一ノ瀬圭太本人に連絡をしないといけない。

私には話してないことがもしもあるんだとして、それを知られて何が怖いと言うんだろう。



(あのイジワルで自信過剰な男にも恐怖心とかあるの…?)


失礼なことを思いながら部署に帰った。

仕事をしていてもその事ばかりが頭の中を巡って、暫く落ち着くことができなかったーー。



< 84 / 166 >

この作品をシェア

pagetop