イジワルな彼と夢みたいな恋を?
夢にまで見たゴールは…
春、三月ーーー
桜の蕾が膨らみ始めた頃、卒業証書を手に母校を巣立った私達。
保護者や友人、後輩達と入り交じって言葉を交わし写真を撮り合った。
「またね」
「連絡してよ」
「たまには遊びに来て下さい」
キャーキャーと燥ぐ声の飛び交う中、あいつの姿がだけがそこに無かった。
この騒がしい中で、あいつと最後まで張り合いたかったな…と思い、酷く寂しいな…と実感したーーー。
「あんたの転校した後、私がどれだけ大変だったか知らないでしょう!」
多分きっとそう言って愚痴を零し始めたんだろうな…と思い浮かべる。
残ってる記憶の最後に、そんな思いを抱いてたから。
「それにしても『謝れ』プラスの『泣き』は無いか」
力の抜けたまま一人で残業してた。
絵里と話した後、ズルズルと足を引き摺りながら部署に帰ると、予算書を作成してたアユちゃんが顔を上げて。
「何サボってんですかぁ。大田さん!」
散々サボってきた人に言われたくないよ…と、口先まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
「ごめん。やっとモデルハウスの建設が始まると思うとワクワクしてさ」
「全く、子供じゃないんですからお願いしますよ〜」
いや、そのセリフ、あんたに言われる筋合いないんだけど。
桜の蕾が膨らみ始めた頃、卒業証書を手に母校を巣立った私達。
保護者や友人、後輩達と入り交じって言葉を交わし写真を撮り合った。
「またね」
「連絡してよ」
「たまには遊びに来て下さい」
キャーキャーと燥ぐ声の飛び交う中、あいつの姿がだけがそこに無かった。
この騒がしい中で、あいつと最後まで張り合いたかったな…と思い、酷く寂しいな…と実感したーーー。
「あんたの転校した後、私がどれだけ大変だったか知らないでしょう!」
多分きっとそう言って愚痴を零し始めたんだろうな…と思い浮かべる。
残ってる記憶の最後に、そんな思いを抱いてたから。
「それにしても『謝れ』プラスの『泣き』は無いか」
力の抜けたまま一人で残業してた。
絵里と話した後、ズルズルと足を引き摺りながら部署に帰ると、予算書を作成してたアユちゃんが顔を上げて。
「何サボってんですかぁ。大田さん!」
散々サボってきた人に言われたくないよ…と、口先まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
「ごめん。やっとモデルハウスの建設が始まると思うとワクワクしてさ」
「全く、子供じゃないんですからお願いしますよ〜」
いや、そのセリフ、あんたに言われる筋合いないんだけど。