続*おやすみを言う前に
* * *
翌朝。八時過ぎに起きて、適当なテレビを見ながら簡単な朝食にしていたら、八時半頃麻衣子が起きてきた。
「おはよー。」
「おはよ。具合どう?」
「ちょっと頭痛いけど大丈夫。」
困ったような、申し訳なさそうな顔で、昨日の服のまま麻衣子はソファーに座った。基本的にきちんと生活している彼女の少しだらしない姿。
「二日酔いやな。」
「あー化粧したまま寝ちゃったー。拓馬にも迷惑かけてごめんね。」
どうやら彼女は普段はしない類の失敗にかなり凹んでいるらしい。膝を抱えて頭をうずめた。ちょっとおもろい。
「せやな、めっちゃ迷惑やったわ。」
隣に座っても、麻衣子の姿勢はそのままだ。
「ほんとにごめんね。」
反省と謝罪の込もった声。そんなに凹まんでもええのになー。意地悪言うたけど別に迷惑かけられてないし。麻衣子よりタチの悪い酔っ払いは世の中に五万といるからな。