続*おやすみを言う前に
「あーあ、あれから誰かさんはまーったくへんなあ。ちゅーもしてくれんし。」
拓馬の恨めしげな言葉に、手が止まる。
夕食後のリビングで二人まったりしている今現在。
私がソファーを背もたれにカーペットに座りデザートのアイスを食べている後ろ、ソファーに寝転がる拓馬が強烈な台詞を放った。
あの夜から一ヶ月が経つ。
以前と同じ、むしろやや多いくらいに共に夜を過ごしているこの頃。のろけちゃうけど、結構ラブラブだと思う。
でも、拓馬の言うことはもっともで、あれから私からは行動出来ていない。
「また二ヶ月我慢せなあかんのかあ。拷問やー、鬼彼女やー。」
正論すぎて返す言葉がない。
要は、私からもっと愛情表現を!っていうことなんだけれど。元通りになれたからスルーしていたのが本音だ。
「……アイス食べる?」
「うん、一口。」
チョコレートアイスをこんもりすくって、スプーンを拓馬の口まで。
そのまま私も食べるのを再開する。