続*おやすみを言う前に
「おはよう。」
朝食を作る麻衣子の背後に忍び寄り、ぎゅうっと後ろから抱きしめる。麻衣子が驚いて声にならない声を上げ肩をびくつかせた。
例の件が解決してから、ラブラブ度が上昇したような今日この頃。
「もう、びっくりした。」
まだすっぴんの麻衣子が恨めしそうな顔で振り返る。
最近いつにも増して肌に艶があるのは俺のおかげちゃうかな。と思ってみたり。
「ひとりで起きたん偉いやろ。褒めて。」
「はいはい、すごいね。」
「なんやねん、つれないやっちゃな。」
「今だし巻き玉子作ってるの。焦げちゃうからちょっと待って。」
料理をしている時の麻衣子は真剣だ。普段なら応じてくれるようなやりとりでも、たいていかわされる。
一瞬振り向いた顔もすぐに手元のフライパンに戻っていった。
ちょっと意地悪してやろうと、尻から太ももの裏側に手を滑らせた。耳に口づけながら。