続*おやすみを言う前に
* * *
二限が終わり、英美香とランチを食べることになった。学食は混んでいて落ち着いて話せないので、最寄り駅の方まで歩いてパスタメニューの豊富なカフェにやってきた。
英美香はジェノベーゼを、私はカルボナーラを完食した後、食後のドリンクが出てきたところでやっと話を切り出す。
「その、実はね。」
たどたどしい説明に口を挟むことなく、一通り聞いた後で英美香は笑いながら言った。
「ただの惚気じゃん。」
「え、違うって!」
「違わないよ。つまり、彼氏は麻衣子に愛情表現して欲しくて、どうしたらそれに応えられるか、ってことでしょ?」
「そう、だね。」
「そんなのラブラブ以外の何物でもないじゃーん。もういっそ裸エプロンでもしときなよ。」
「ええっ!」
「まあ冗談だけど、でも実際やったら彼氏喜ぶんじゃない?」