続*おやすみを言う前に

ミルクティーをくるくる回すと、氷がしゃらしゃらと音を立てた。

一度冗談っぽく、「なあ、俺の誕生日に裸エプロンしてや」と言われたことを思い出す。その時も一蹴したら「あーあ、うちの彼女は冷たいなあ」と笑って終わったのだけれど。

でも今振り返ってみても、それは到底無理だ。


「麻衣子、三限なかったよね?」

「うん、ないけど、どうかした?」

「じゃあこれから出かけよ!私いいこと思いついちゃった。」


英美香は意味ありげな微笑みを浮かべて立ち上がった。


「いいこと?」


言葉とは裏腹に嫌な予感がするなあ、と思いつつ、私も立ち上がる。





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