続*おやすみを言う前に
昼休みになり、外にラーメンを食べに行くという同僚の誘いを断って、自分のデスクに弁当を広げた。本日は外回りがなくデスクワークのみだ。
「最近なんだか機嫌良いね、雪町くん。」
背後から同僚の岡部が声を掛けてきた。彼女のデスクは俺のと背中合わせにある。彼女も今日は弁当組のようだ。
「そうか?」
「先月はよく溜め息ついてたもんね、成績もイマイチだったし。今月は調子良いじゃん。」
「まあ、せやな。」
課長のデスクの後ろの壁に貼ってある、営業成績の棒グラフを眺める。成績をグラフにして掲示するなんて時代遅れのような気がするが、課長の趣味なのだから仕方ない。
今月の俺の棒は、現在一番長い。
「やっぱあれやな、プライベートが充実してると仕事にも反映されるタイプやんな、俺は。」
「へぇー、充実してるんだ。てことは、彼女と順調なんだ?」
岡部は含みのある言い方でこちらを見た。
たこさんウインナーを箸でつまんで、ついにやけてしまいながら答える。