続*おやすみを言う前に
二人の暮らすマンションが通りの先に見えてきた。
一緒に暮らし始めてから、ジャンクフードを食べることがなくなって拓馬は少し痩せたらしい。それなのに私は。
「そんな凹むくらい太ったん?何キロ?」
「絶対言わない!」
「体重は言わんでええから、何キロ増えたかだけ言うてや。」
「……二キロ。」
「二キロ?なんや、そんなん誤差やん。」
「一ヶ月で二キロも増えたら凹むよ。太るより減らす方が何倍も大変なのに。」
この一週間で全く減らないことを考えると、一ヶ月とか二ヶ月とかかかるんだろう。太りにくい体質の人は痩せにくい、という話も聞いたことがある。
今いろいろ我慢していることをあとどれくらい続けなくてはならないのか、と思うと気が遠くなる。
「女の子はふっくらしとるくらいがええんやで。」
「私が太るのは顔とかお腹だけだもん。胸は変わんないし。」
「前もそんなこと言うてたけどさ、麻衣子って俺のことおっぱい星人やと思っとんの?」
「え、そういうことでは。」
「俺どっちかっちゅーと尻とか脚派やねんけど。せやから麻衣子の太ももも、むちっとしてて最高やけどな。もっとむちむちでもええくらい。」