続*おやすみを言う前に

「麻衣子やって俺のことやらしい目で見るやろ。」

「え、見ないよ。」

「ほんまにー?ほんまやったらショックやな。」

「なんで?」

「麻衣子は俺見てちゅーしたいなーとか、抱かれたいなーて思わんてことやろ。性的魅力ゼロかあ。」


テーブルの麻衣子の向かいに移動する。

適当なパンフレットを開きながらちらりと様子を見ると、困った表情のまま更に頬を赤く染めている。

ちょっといじめすぎたかなと思いつつ、相変わらずの可愛い反応ににやけてしまう。


「拓馬って結構意地悪だよね。」


上目遣いで麻衣子は言う。ささやかな抵抗なんやろうけど、そんな顔色のまま言われても、単に俺をにやけさせるだけやで。


「知らんかった?」

「もう、勝手に行き先決めちゃうからね。」

「思いっきり話逸らしたな。」


まったく、可愛くてたまらんだけやのに。まあこれ以上いじめんでおこう。

せっかくの久しぶりの旅行だ。麻衣子が準備してくれた雑誌やパンフレットを眺め計画を立てながら、二人で夜を更かす。

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