続*おやすみを言う前に

今まで全然知らなかったことをいきなり聞かされて、つい飲むペースが速くなる。

派手ではないが可愛い顔立ちで、色白ですらっと手脚が長く、中身も真面目でいい子の麻衣子に、何故これまで彼氏がいなかったのだろうと不思議に思ったことは何度もあった。どうやらうちの彼女は予想以上にモテるらしい。


「麻衣子の話はもうええよ。それより何か話あったんちゃうの?急にサシで飲もうやってさ。」


三杯目のビールを泡がこぼれないようにすする。追加した焼きおにぎりと餃子もタイミングよく到着し、相変わらずよく食べるなあ、という村木の一言。


「実はさ、結婚することになった。」


突然の告白に、十分に咀嚼していない餃子を丸飲みしてしまった。


「まじで?おめでとう!」


思わず大きな声を出すと、声デカいから、と珍しく照れたようなツッコミをされた。

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