続*おやすみを言う前に

学生時代からの友人が結婚するというのはどこか感慨深いものがある。同じ学部同じサークルで、大学四年間をほぼ一緒に過ごしたと言っても過言ではない。

卒業からもう五年以上経ち、いつのまにか学生の四年間より長い時間を超えた。何にも変わっていないようでも、こうして少しずつ変化してゆくもんなんやな。


「同じ会社の同い年の彼女やっけ?」

「そうそう。もう付き合って三年だし、タイミング的にそろそろかなって。」

「まあ言うても俺ら二十八やもんなあ。」

「それでうちの親とか相手の親の手前ちゃんと式するんだけどさ、拓馬に友人代表スピーチやってもらえないかと思って。」

「おお、ええよ。式いつ?」

「来年一月。」


おめでたい発表を肴に、結婚について根掘り葉掘り聞きながら終電間際までじっくり飲み明かした。ビールから焼酎に切り替え最後は日本酒で締めて、久しぶりにほろ酔い気分で帰路についた。


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