続*おやすみを言う前に
「一緒に寝て。すぐ風呂入ってくるから待っとって。」
「えー、明日朝早いもん。」
麻衣子の手を握る。滑らかな肌がひんやりと感じて、自分の体温の高さを思い知る。
酒で浮ついた気持ちをまんまぶつけてしまう俺は、きっとあんまりいい彼氏ではないんやろうな、とは思うのだけど。
「ただ寝るだけでええから。まあ、麻衣子が眠っとる時おっぱいくらいはさわるかもしれんけど。」
「変態。」
「そんだけすきってことやのに。」
いつも可愛い麻衣子が今夜はやけに可愛くて。一段と綺麗に見えて。
言葉が勝手に口をついて出る。酔いのせいか。素面でも言ってることは大して変わらない気もするが、明日の俺が見たら後悔するような台詞が。
「俺が変態なんは麻衣子にだけやで。短パンに萌えるんもおっぱいさわりたいんも麻衣子だけ。」
「……。」
言葉はないけれど、その表情が返事だ。
きっとお風呂上がりのせいではない頬と耳の色付きと、ひんやりが消えた右手。