続*おやすみを言う前に
* * *
「なんか食う?」
「えっとね。」
「アイスやろ。」
「え、なんでわかったの?」
「さっき通った時めっちゃ見てたやん。ほんま好きやな。」
サービスエリア内のフードコートはまだ昼時には遠いせいか、人がまばらだ。
トイレに向かう際に通り過ぎた時、麻衣子が端っこのアイス屋に長く視線を送っていたのを見逃すはずがない。
どんだけ見てんねん、と自分に自分でツッコミを入れたくなるけれど、目が行ってしまうのだから仕方ない。
結局麻衣子はソフトクリームを、俺はアメリカンドッグを食べて車内に戻った。