気づけよ…馬鹿

気づけよ…馬鹿

秀太~sid~
結菜が…俺を好き…だなんて

駄目だ…嘘だろ?
信じられない…

別れたのか…?

口滑って言うところだった。
好きだって…

でも…あいつは城川と付き合ってるじゃねぇか

でも、あいつ泣いて…

俺が泣かせたんだ…

何やってんだよ!俺何固まってるんだよ。
俺頑張るって決めたじゃねぇか

でもいざ結菜の前になると…城川の顔思い出して…

俺の方が馬鹿じゃねぇか。


「っち。」

俺は走り出した…

言わなきゃいけねぇーのは
俺の方だってんのに。

城川なんて知らねぇ。

俺は結菜が好きなんだ

俺も…

多分結菜はあそこに居るよな…?

俺は結菜の居る方向へ足を向けた

ガチャ…

「やっぱりっ…ここに居た」

「ふ、ふぇ。な、何で…?!」

結菜は屋上で涙を流して居た

「お前覚えてねぇーの?ここで始めてサボっただろ?」

「そ、そうだけど…」

結菜は少し涙が止まったみたいだった。

結菜は伝えてくれた

次は俺の番。

俺はギュッと結菜を抱きしめた。

「へっ?!!!」

結菜はパニクってる…

可愛いすぎだってんだよ。

「気づけよ…馬鹿。好きだ…」

結菜の耳元で俺は小さな声でそう言った。

結菜は固まったままだ…

「ちょ…おい。なんか言えよな…
恥ずかしい…じゃねぇか…」

多分俺の顔は真っ赤

「う、嘘だよ!!だってあの女の子と…」

結菜はこっちを向いて眉を下げながら話した

「誰だよ…それ?」

「図書室で…告白してた女の子…」

結菜はうつむいて話し始めた

図書室…?あの女?!
もしかして…

「覗いてたのか…?」

「う、うん...」

「だっ!秀太に好きって言おうと…って…だぁぁぁ!!」

「ふーん。俺にねぇ…
あの女とは何もねぇーよ。」

「嘘だ!!だって『本当。お前が好きだったら良かったのかもな…』とか
『俺の事好きでいてくれるし…
多分毎日楽しいだろうな…』って…
言ってたじゃん!!」

はぁぁぁ…マジかよ

それも聞こえてたよ…

でも…これってヤキモチだよな?

やべぇ。にやける

でも真剣に言わなきゃ伝わられねぇーな。

「俺は…お前がずっと前から好きなんだよ。気づけよ…
それに…最後までお前聞いてねぇだろ?!」

「だ、だって。そ、そうだけど…
最後までって何か変わるの?」

「はぁ。あれには続きがあんだよ」

________________________________

『本当。お前が好きだったら良かったのかもな…』

『俺の事好きでいてくれるし…
多分毎日楽しいだろうな…』


俺はそこまでは言った。

多分それは前にいる女に言ったんじゃなくて、俺に言い聞かせてたんだ…

そしたら…

「だ、だったら!!試しに私と付き合って…」

だよな…そんな事言ったら期待させちまうよな…

「でも…無理なんだよ。
俺はあいつじゃなきゃ駄目何だ。
諦めないと…って分かってるけど…
でも無理なんだよ…」

何でみず知らずの女に喋っているか分からなかったけど…

勝手に出た言葉。

その時やっぱり好きだって…

前にいる女は少しびっくりした後

「そうですか…秀太君はその人のこと相当好きなんですね…
無理言ってごめんなさい…」

「おう。すまねぇ」

「じゃあ…諦めます」

そう言って女は図書室から出て行った。

俺はやっぱり好きだって再確認したんだよな…
_________________________________

「って…言うことだよ。」

「へっ…そ、そんな…」

って言うか俺は1つ気になる事がある

「それよりお前の方こそ…
その…城川と付き合ってんじゃねぇか…」

俺はプイッと目線をそらした…

「っ…ち、違う!!
蓮君とは付き合ってたんじゃないの…
仮で…付き合うって言うか…その
でもちゃんと断ったから!!!」

「ふーん。
本当に俺のこと好きなの?」

もう一回聞きたい。
結菜の口から…しんじてぇから

そう言うと結菜は涙目になり
フッと微笑んだ
そして…

「秀太…好き。うんうん…
出会った時から恋に落ちてたのかもしれない…今まで迷惑かけて…
気持ちに気づけなくてごめんね。
秀太…大好き。」

ドキッ

俺の鼓動が大きく鳴った

結菜が好きだって…
実感したよ…

やっと…やっと両想いに慣れた

俺はギュッと抱きしめて言った

「結菜…好きだ」

これからいっぱいデートして
幸せになりてぇ。そう思った

でも…恋って言うのはそう簡単な事では無かった…

それを俺達はまだ知らなかった。


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