10年、片想い。
最初はバカにした。
「小鳥遊、夢でも見たの?」
「ううん、本当なの!」
真っ直ぐに僕の目を見てくるから、
もっとバカにした。
「嘘じゃないよ!」
真剣に僕を見た小鳥遊は、少し目が赤かった。
「駆くんは、家も隣だし、これからも仲良くしたい。
だから、私の秘密、駆くんにだけいったの」
確かにそうだけど、小学校2年生の僕には
そんな感情なんて一切なかった。
頭にハテナマークを浮かばせて、
僕は小鳥遊に言った。
「変な嘘ついちゃダメだよ。
先生も言ってたでしょ?」
「嘘じゃないもん!」
僕は単純に、彼女が理解出来なくって、
小鳥遊を“嘘つき”と言いつけた。