神様っ!!
目を閉じると、ふにと柔らかいものが唇にふれた。一瞬のことで何だかわからない。

「指だから、今の…ちょっと荒れてたから保湿するだけだから」

ガタガタっとベンチに柊が当たる音がする。ガチャガチャと何か落として、心配になる。

「大丈夫なの~保湿とかって。あんまりあたしが可愛くてキスしたくなるかもしれないよ?」

目を開けてみると、拾ったばかりのビューラーやマスカラをまた落としていた。慌てているので、耳まで赤くなっている。

「まだ、開けるな」

「あんまり挙動不審で心配」

「ちょっとヘアアイロン探してただけだから」
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