神様っ!!
絶対譲れないなにか。
それがないと、ダメな気がする。
「幸、そろそろ良さそうだから確認するね」
ふいにあらわれた柊は、どこから見ても完璧に見える。
「柊はさ、絶対に譲れないものってある?」
コームで髪をよけて見ていた柊が、鏡越しに変な顔をする。
「なに言ってんの? 一人にしてたから意識がどっか行ってた? 」
「いや……そういうんじゃなくて。あそこに飾ってあるような盾とか貰えるくらい、仕事にプライドがあって頑張ってるわけだよね。
だから柊的に大事なもの、守りたいものとか、負けたくないものとかあると思うんだけど」