神様っ!!
天使だわ。癒される。
そんな赤の他人でさえあたしのことを労ってくれるのに、なんでこの母親と幼なじみは容赦なく人の揚げ足を取るんだろう?
ダメよ。ここで怒っていたら幸せだって逃げていくってば。
ここはひとつ余裕の笑顔ってものよ!
「違うのよ。ここからはもう登り竜のように運勢がぐんぐん上がっていくばかりなの。それがわかったイケメン君は、優しくしてくれたのよ! 」
「つーか随分都合良すぎ」
「今までの困難な時代を補って余りあるくらいの幸せが押し寄せるってことなのよ! まーこれも人徳? 」
箸の先をぷらぷらさせながら、考えているようなふりをしている。あんたの考えてることなんて、わかってるんだから!
ロクなことじゃない。
「人徳とかってさ、普通自分からは言わないよ。なんか嘘くさいし」
「いいの! 柊だって来年……ううん、来月くらいにはわかるはずだから! 」
むっとしながらカップラーメンのフィルムを剥がしてお湯を入れる。具とスープは後からだ。ぷりぷりしながらラーメンを作っていると、柊が最後のチキン南蛮をはしでつまんだ。