神様っ!!
 いつもなら柊がこんなに絡んでくることなんてない。大概はあたしのすることを苦笑いしたり、アホな子だなって顔で見てる。

「あたし、柊がこんなに人の気持ちを考えない奴だなんて知らなかった」

「へー。同感。幸はこんなに人の気持ちをわからない奴だなんて知らなかった」

 ぐびっと缶をあおって飲み干し、ぐしゃりと缶を握り潰した。

「モテ男の柊にどうしたら合コンで彼氏が出来るかなんて聞くんじゃなかった! 」

「聞かれたくもないよ、そんなの」

 ばっとベンチを立ち上がって正面から見据える。擦れてトゲトゲしい柊がこちらを見上げていた。

「それ飲まないなら置いてってよ。飲み足りないから」

 何かにすがるように握りしめていたビールをベンチに叩きつけるかのように置く。泡がたっても知らないんだから。

「もういい。柊とは飲まない。先帰るから、追いかけてこないでよね」

「しないよ、そんなの」

「バカ柊!」
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