神様っ!!
まっったくやってらんない!

食欲が増したお腹がぐーぐー鳴るのを抱えて思った。考えてみたら、こいつが悪の権現でしかないのでは?

小学校でも、中学校でも、高校でだって、この変に見目麗しいこいつがそばにいたせいで、女子には嫌われ、男が寄ってこなかったんだ……!

あたしが、幼なじみのこいつを独り占めにしてるって皆に思われてた!

本当は女子に言い寄られるのがメンドクサくてこいつが、あたしを女除けにしてただけなのに……

付き合ってない、独り占めしようなんて、端から思ってないって何度行っても信じて貰えなかった…… 何年も前のことなのに……悔しい。

こいつのせいで楽しいキャンパスライフは無かった、全くといってもいい……

やっと短大と美容師専門学校で進路が別れて、あたしの回りが落ち着いたのに……なんでこいつは実家にまで押し掛けてきて、あたしのおかずを強奪するわけ?

「おかあさんも酷くない?実の娘なのに」

カップラーメンの調味料を加えてぐるぐる混ぜながら、恨みがましい視線を投げる。

「え~だってお母さん、男の子欲しかったんだもの。柊くん、今度一緒に買い物に行きましょうね~」

「ぜひぜひ~いつもご馳走になってるお礼に重たい物、全部持ちますから」
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