兎ちゃんは、無口な先輩の餌食に


兎美は、

「...緊張?」

と驚いた表情で聞いてくる。


「そうだよ。俺だって緊張くらいするよ」と言って兎美の手を自分の胸にあてる。


「ほんとだ。心臓の音が早い」


俺だって人間なんだから、当たり前だよ。


「これで、俺だって兎美と一緒だってわかった?こんなになんの兎のせいだから。」


『わかったら、早くシャワー浴びれば。じゃないと今すぐ襲うよ』なんて言うと、素早くシャワールームへ逃げて行った。

ほんと逃げ足だけは早いんだから、兎みたいに。



そんな兎さんちゃんは、オオカミと化した俺の

餌食になった。





end


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