プロポーズは金曜日に
プロポーズは金曜日に
第一金曜日
「麻里」
ふわりと響く優しい声に振り向く前に、きゅ、と後ろから抱き締められた。
「何、伊波くん」
「好きだなあって、思ってました」
へにゃりと緩く笑う伊波くんは、細い黒縁フレームの眼鏡がよく似合う人だ。
そして、私の彼氏。
付き合って二年が経った。
今だ大きな諍いもなく、緩やかに続いているお付き合いは、伊波くんのその穏やかな性格によるところが大きい。
お互い、三十路。
私には譲れないことが結構あって、その度に伊波くんと話し合うことにしているのだけど、伊波くんは大抵了承してくれるから喧嘩にならずに済んでいる。
つり目できつい見た目の通り、私はいささか口が悪い。
もちろん状況は考えるけど、言いたいことは遠慮なく口にする。
自分ではこんな奴の彼氏なんか面倒臭いだけだと思うのに、伊波くんはいつでもにこにこしながら私のそばにいてくれている。
「伊波くん」
「はい」
「私も好きだよ」
伊波くんが、それはそれは嬉しそうに、へにゃ、とゆっくり笑った。
ふわりと響く優しい声に振り向く前に、きゅ、と後ろから抱き締められた。
「何、伊波くん」
「好きだなあって、思ってました」
へにゃりと緩く笑う伊波くんは、細い黒縁フレームの眼鏡がよく似合う人だ。
そして、私の彼氏。
付き合って二年が経った。
今だ大きな諍いもなく、緩やかに続いているお付き合いは、伊波くんのその穏やかな性格によるところが大きい。
お互い、三十路。
私には譲れないことが結構あって、その度に伊波くんと話し合うことにしているのだけど、伊波くんは大抵了承してくれるから喧嘩にならずに済んでいる。
つり目できつい見た目の通り、私はいささか口が悪い。
もちろん状況は考えるけど、言いたいことは遠慮なく口にする。
自分ではこんな奴の彼氏なんか面倒臭いだけだと思うのに、伊波くんはいつでもにこにこしながら私のそばにいてくれている。
「伊波くん」
「はい」
「私も好きだよ」
伊波くんが、それはそれは嬉しそうに、へにゃ、とゆっくり笑った。
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