プロポーズは金曜日に
第三金曜日
今週の金曜日はたまたま祝日で、せっかく三連休になるのだから二人でゆっくりしたいなと思って、木曜日の夜、伊波くんに電話をかけた。
「もしもし、麻里?」
伊波くんの声は、電子信号になってもやっぱりどこか柔らかい。
空気を多分に含んだ、ふんわりさらっとした優しい声音。
「伊波くん、今大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。夜ご飯食べてました」
伊波くんはご飯を食べながら話をする人ではないので、ご飯を食べ終わったところだろう。
いつも大抵二十時には食べ終わっているから、少し余裕を持たせて二十時半に電話をかけたのは正解だったらしい。よかった。
「私もちょうど食べ終わったところ。何食べてたの?」
「ロールキャベツですよ。トマトベースの」
「あっ、いいなー!」
今度ロールキャベツ作ろうかな、ともらすと、「じゃあコンソメですね」と伊波くんが笑った。
ロールキャベツを作るとき、伊波くんはトマトベースで作る。
葉をそのまま使うからとても大きい。ごろん、とロールキャベツの塊一つで大皿のほとんどを占めるくらい。
そしておしゃれにナイフとフォークで切り分けて食べる。
私はロールキャベツならあっさりして食べやすいコンソメが好きで、葉を少し千切って、小さいのをいくつか作る。
数を多めに食べるとお腹が膨れる気がするんだよね。
「麻里は何食べたんですか?」
「親子丼だよ。玉ねぎと白菜で作ったの」
ふふふ、と緩む口元のままに報告すると、伊波くんが穏やかに笑った。
「もしもし、麻里?」
伊波くんの声は、電子信号になってもやっぱりどこか柔らかい。
空気を多分に含んだ、ふんわりさらっとした優しい声音。
「伊波くん、今大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。夜ご飯食べてました」
伊波くんはご飯を食べながら話をする人ではないので、ご飯を食べ終わったところだろう。
いつも大抵二十時には食べ終わっているから、少し余裕を持たせて二十時半に電話をかけたのは正解だったらしい。よかった。
「私もちょうど食べ終わったところ。何食べてたの?」
「ロールキャベツですよ。トマトベースの」
「あっ、いいなー!」
今度ロールキャベツ作ろうかな、ともらすと、「じゃあコンソメですね」と伊波くんが笑った。
ロールキャベツを作るとき、伊波くんはトマトベースで作る。
葉をそのまま使うからとても大きい。ごろん、とロールキャベツの塊一つで大皿のほとんどを占めるくらい。
そしておしゃれにナイフとフォークで切り分けて食べる。
私はロールキャベツならあっさりして食べやすいコンソメが好きで、葉を少し千切って、小さいのをいくつか作る。
数を多めに食べるとお腹が膨れる気がするんだよね。
「麻里は何食べたんですか?」
「親子丼だよ。玉ねぎと白菜で作ったの」
ふふふ、と緩む口元のままに報告すると、伊波くんが穏やかに笑った。