毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
『寒い?』

「少し」

布団を、光君の口元が隠れるところまで引き上げる。
光君の首の後ろに手を入れて少し起き上がらせ、
枕をちょうどいい位置にセットする。

光君の
熱いほどの吐息が
私の腕にかかる。

『寝たら帰るから。もう少し、寝て』

「・・帰らないで」

『大丈夫。眠るまではそばにいるから』

弱ってる光君は
ちょっぴり子供みたい。

私は、布団の上から、光君の胸元あたりをトントンと叩く。
光君は、ゆっくり目を閉じる。


トン トン・・

光君が
ぐっすり
ゆっくり
眠れますように。
そして、寝て起きたら
元気な光君に戻ってますように。
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