毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
光君が、布団から片手を出し
私のトントンしている手を握る。

ふりほどいて腕を布団にしまおうとしたけれど
さらにぎゅっと強い力で握ってきて
ふりほどくのを
やめた。

「美月さん・・いる?」

光君は目をとじたまま
確かめるようにうっすらと目を開けた。

『いるよ。大丈夫。』

そのうち
すう・・すう・・と安定した呼吸をしはじめた。

熱い手。

どんないじ悪なバイ菌が、光君の体の中で暴れてるんだろう。
なんでもいい。
私の体に
うつってくればいい。

ドンとこい、だ。
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