毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
私たちは、すっかり暗くなった道を、駅まで歩きだした。

10月に、付き合いだした私たちは
11月になった今でもデートしたことがない。
ただ、登下校のときは必ず一緒にいた。

広瀬君の隣、という指定席は
想像以上に心地が良かった。


『広瀬君のカウボーイ、絶対似合うよ。』

「当然です。でも、
 美月さんには着てほしくない」

『ハイハイ。どうせ私は・・』

「僕以外に
 見せたくないだけです」


広瀬君は、少し怒ったように改札口を通り抜けた。


  
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